設置の主旨

情報システムは,今日,社会や産業の活動の基盤となっている.
日本における情報化の歴史をみると,1960年代のスタート以来,精力的な展開がなされ,1980年代には欧米とも遜色のない水準に達したとみられていた.
しかし,ダウンサイジングやオープンなネットワークの形成といった技術革新の対応の遅れから,今や,再びキャッチアップの過程に立たされている.
さらに,バブル景気の崩壊後,日本の情報化投資は18%(民間投資全体に占める割合)にとどまっているのに対して,米国は26%にまで達しており,日米間の産業力の格差の一層の拡大が憂慮されている.

このような状況を打破するには,米国における社会・企業の構造改革やこれらの中から生み出されている情報システム・情報技術を学ぶとともに,日本の文化にふさわしい産業社会の情報化の姿を描く必要がある.
ここでは,従来的な意味での技術の範囲に閉じこもるわけにはゆかず,いろいろな学問領域が相互に交流し合って初めてあるべき情報システムや情報技術の姿が明かになってくるであろう.
そして,このような活動が,国際的にも評価される情報システムや情報技術を生み出すことになる.

本技術委員会は,上記のような認識に基づいて,日本における社会や産業の在り方を探りつつ,将来の情報システム像や情報技術を明らかにすることを目標としている.
電気学会は,総合学会として幅広い産業分野をカバーしており,このような学際的な活動をするのにふさわしい場といえる.